FOR CAVIST
Kunitsu-wine:株式会社 國津果實酒醸造所
Budoutoikiru Maceration 2023
ぶどうと活きるについて
今回、使用した葡萄は、山形県山形市で葡萄栽培をしている、ぶどうと活きるさん(枝松祐介さん 古内重光さん)の葡萄を100%使用しました。
彼らは地元が葡萄の一大産地でありながら、担い手不足が原因で葡萄園の廃園が、次々と増えていく現状のなか、地元の名産品を一生懸命作ってきた先輩たちの葡萄をどのように守っていくか、また楽しく運営を継続していけるかをテーマに掲げ、活動をされています。
例えば、歳を老いて、息子さん、娘さんが継続できず、何代も続いてきた葡萄畑を廃棄してしまいそうな場合に、彼らが畑をひきうけ、葡萄園を維持していくという活動をしています。
彼らは仲間を集い、葡萄づくりの醍醐味を共有することで、地元の若者に新たな職の選択と、地域で続いてきた葡萄畑の維持に貢献しようと奮闘しています。
また、もう一つの大切なテーマは、「兼業」ということかもしれません。
枝松氏、古内氏それぞれ、葡萄以外に、他のお仕事をもっています。
その中で、彼らが管理できる畑の規模を踏まえて、労働の分配等、葡萄園をやりくりできるやり方を追求し、「高品質な生食用ぶどう、理想のワイン用ブドウ」の生産をかかげて葡萄園を運営しています。
兼業というと、どっちつかずというイメージを持たれる方がいるかもしれません。
しかし、労力が半端なく、収入が少ないとう農業運営が一般的になりつつある、この日本において、他で収入を得ることで、収入面の不安を払拭し、作業規模を無駄に増やさず、できる範囲にしぼって、畑作業の質向上に精進していくことは、かえって、高品質な葡萄を生産する一つのモデルだと私たちは考えています。
弊社とは、2017年の冬に、弊社と共にワイン造りすることになりました。弊社スタッフの中子が目指す、「農家のワイン」の考え方に賛同していただき、目標のワインを掲げて、剪定前の冬から栽培シーズンを通して、コミュニケーションをしながら販売の本日まで、やってまいりました。毎年、ワインの出来を確認し、日々一歩ずつ前進できるよう、ぶどうと活きるは活動しています。
味わい
香りは、アプリコット、ミカン
味わいは若々しい酸がまず切り込み隊長のようにお口に広がり、その後口の中で、ミカンやはちみつのようなニュアンスに優しくへんかしつつ、スッと体に染み込んでいきます。
食中酒としてかなり万能だと思いますが、料理は少し酸味があるものと一緒にお楽しみいただけたらよりおいしく召し上がっていただけるかと思います。
醸造
醸造責任者:中子より
「葡萄と活きる」さんの葡萄をお預かりし、漬け込みで造るマセラシオンのワイン。
実は2020年を最後に少しお休みしていましたが、2023年に再び造ることにしました。
その理由は、私自身が白品種のマセラシオンワインを心から愛していること、そして「葡萄と活きる」さんの畑が持つ美しい酸味とキュートな果実味をしっかり表現するためには、芯のある酸を持つ葡萄を使ったマセラシオンが最適だと考えたからです。
2023年の葡萄はきれいな酸味と後味の良い甘さが際立ち、糖度20度、pH3.38という毎回ながら素晴らしい品質でした。この葡萄であれば、醸造が下手な私でもきれいでキュートな漬け込みができるはずだと思い、醸造に取り掛かりました。
テーマは2020年に続き「いかにきれいな酸を大切にするか」で、セミ・マセラシオン・カルボニック方式を採用。醸造中にみかんのニュアンスが感じられたため、抽出時間を少し長めに設定しました。
さらに、発酵後の乳酸発酵を避けるため、発酵が終了したらすぐに澱引きを行い、ステンレスタンクで7か月間貯蔵。その後、粗さを感じたため、古樽で5か月間熟成させました。
狙い通りに美しい酸味とチャーミングな優しさが混在する液体に仕上がり、今回も満足のいく結果となりました。
醸造フローチャート
タンク搬入(ドライアイス入れる)
↓
発酵(全房:セミマセラシオンカルボニック)
↓
圧搾
↓
澱引き
↓
ステン熟成
↓
樽熟成
↓
瓶詰め
↓
出荷
商品名:Budoutoikiru Maceration 2023
品種:非公開
アルコール度数:12%
内容量:750ml
生産本数:270本
小売り希望価格:オープン
亜硫酸塩: