FOR CAVIST
Kunitsu-wine:株式会社 國津果實酒醸造所
Budou To Ikiru
white 2024
ぶどうと活きるについて
今回、使用した葡萄は、山形県山形市で葡萄栽培をしている、ぶどうと活きるさん(枝松祐介さん 古内重光さん)の葡萄を100%使用しました。
彼らは地元が葡萄の一大産地でありながら、担い手不足が原因で葡萄園の廃園が、次々と増えていく現状のなか、地元の名産品を一生懸命作ってきた先輩たちの葡萄をどのように守っていくか、また楽しく運営を継続していけるかをテーマに掲げ、活動をされています。
例えば、歳を老いて、息子さん、娘さんが継続できず、何代も続いてきた葡萄畑を廃棄してしまいそうな場合に、彼らが畑をひきうけ、葡萄園を維持していくという活動をしています。
彼らは仲間を集い、葡萄づくりの醍醐味を共有することで、地元の若者に新たな職の選択と、地域で続いてきた葡萄畑の維持に貢献しようと奮闘しています。
また、もう一つの大切なテーマは、「兼業」ということかもしれません。
枝松氏、古内氏それぞれ、葡萄以外に、他のお仕事をもっています。
その中で、彼らが管理できる畑の規模を踏まえて、労働の分配等、葡萄園をやりくりできるやり方を追求し、「高品質な生食用ぶどう、理想のワイン用ブドウ」の生産をかかげて葡萄園を運営しています。
兼業というと、どっちつかずというイメージを持たれる方がいるかもしれません。
しかし、労力が半端なく、収入が少ないとう農業運営が一般的になりつつある、この日本において、他で収入を得ることで、収入面の不安を払拭し、作業規模を無駄に増やさず、できる範囲にしぼって、畑作業の質向上に精進していくことは、かえって、高品質な葡萄を生産する一つのモデルだと私たちは考えています。
弊社とは、2017年の冬に、弊社と共にワイン造りすることになりました。弊社スタッフの中子が目指す、「農家のワイン」の考え方に賛同していただき、目標のワインを掲げて、剪定前の冬から栽培シーズンを通して、コミュニケーションをしながら販売の本日まで、やってまいりました。毎年、ワインの出来を確認し、日々一歩ずつ前進できるよう、ぶどうと活きるは活動しています。
味わい
パイナップル、レモンといった黄色い果実を思わせる、さわやかな香りから、口に含むとほんのり優しい甘みとキレイな酸
のバランスが良くグビグビとどこまでも吞んでしまう仕上がりです。
余韻に少しマスカットのようなさわやかな香りがあります。
飲み手を選ばず、どなたにでも自信を持ってお勧めできるワインです。
醸造
醸造責任者 中子より
テーマは「凛とした酸味が魅力的な東北のデラウェアを活かし、どこまでもキュートで優しい味わいのワイン」に設定しました。
今回の醸造では、全ての葡萄を除梗し、弱めの圧力(エアープレス)で時間をかけて丁寧に圧搾を行い、その後のデブルバージュも細心の注意を払って進めました。葡萄の状態は非常に良好で、美しい酸味が特徴的でしたので、発酵スピードを速め、抽出時間を長くしすぎないよういつも通り配慮していました。
しかし、デブルバージュ後、予想外のことが起こりました。それは驚異的な発酵スピードで、私の経験では初めてのことであり、わずか4日でほぼ比重を食い切ってしまったため、慌てて瓶詰めを行いました。
発酵が速かったためオフフレーバーの心配は全くなく、むしろ健全極まりない仕上がりとなりましたが、一方で単調な味わいにならないか、瓶詰後に泡がしっかり出るのかといった不安が残りました。
その後、瓶詰め後の定点観測を重ねて確認していく中で、複雑性は少ないものの、非常にきれいな酸味と可愛らしい味わいがあることを確認し、一安心しました。ただ、肝心の泡が全く立たず、大変心配しました。
そこで常温で比較的暖かい場所に保管しながら1か月待ったところ、ついにしっかりとした泡が立ち始め、ようやく安堵しました。
このワインは、テーマに掲げた通り「人を選ばず、みんなでワイワイ楽しめるワイン」としてしっかり成長してくれましたので、
11月にリリースすることを決意しました。
ぜひ、パーティーなどの人が集まる場でお楽しみいただければ幸いです。
醸造データ
アルコール度数/124%
葡萄栽培地/山形県山形市本沢
農法/慣行栽培(農薬は最低限に抑える)
栽培者/葡萄と活きる(枝松祐介、古内重光)
醸造方法/オーソドックス
収穫日/2024/8/27
糖度 21℃ 比重1094 PH3.45
醸造フローチャート
8/29
葡萄を圧搾(除梗
)
↓
タンク搬入(ドライアイス入れる)
9/2
デブルバージュ期間(泥下げ)
上澄み果汁を移動
↓
発酵開始
↓
9/6主発酵終了
↓
9/7 瓶詰
値段など
商品名:Budoutoikiru White Primeur 2024
品種:非公開
問合せ用品種:
アルコール度数:12%
内容量:750ml
生産本数:2,100本
小売り希望価格:オープン
亜硫酸塩:なし